サーブ・ソネット – Wikipedia
ソネット(Sonett )はスウェーデンの航空機メーカー・サーブの自動車部門(現サーブ・オートモービル)が1956年のI型から1974年のIII型まで、途中11年間の空白をはさんで製造した2座席スポーツカーである。ベースはいずれも サーブ・93及び96で、それらの前輪駆動方式を踏襲し、個性的なデザインのGRP/FRP製のボディが架装されていた。 ソネットI(1956年)[編集] ソネットIは社内呼称では「サーブ・94」と呼ばれ、チーフエンジニアの ロルフ・メルデの提案によって製作された。目的はラリーカーとして高いポテンシャルを示していたサーブ・93を一層高度にチューンし、軽量な2シーターボディを与えてレースでも活躍させることにあった。プロトタイプはメルデの個人プロジェクトとして、郊外の工場で限られた予算のもと少人数で秘密裏に製作された。 「ソネット」の名は一般には英詩の一種であるソネット(w:sonnet)から命名されたといわれているが綴りが違い、実際にはメルデがスウェーデン語の”Så nätt den är”(英語の”how neat it is”)から命名したものである。 ソネットは1956年3月にストックホルムの自動車ショーでデビューした。最初の試作車以外の車体はガラス繊維による繊維強化プラスチック製で、最初の試作車から形を取られていた。エンジンは2サイクル3気筒748ccで、標準型93の33馬力から57.5馬力にチューンされていた。ボディ同様にシクステン・セゾンがデザインしたシャシーはアルミニウム製のボックス型で、その重量は70kgに過ぎず、車両重量も600kgに抑えられた。こうした軽量設計のため性能は良好で、現存する第一号車は、製造後40年経った1996年9月に159.4km/hをマークしている。 しかし、ソネットIは結局量産化を見送られ、結局6台しか製作されなかった。 ソネットII(1966年-1968年)[編集] 1960年代に入って、再びサーブ・96をベースに、特にアメリカ合衆国への輸出向けに2座席スポーツカーを開発する機運が高まり、マルメ・フリグインダストリ(英語版)がデザインしたプロトタイプ「MFI13」と、シクステン・セゾンが率いる自社チームによる「カタリナ」がコンペにかけられ、結局MFI13が生産化されることになった。今回の計画に当たっては安全性追求のためクローズドボディの採用が選択され、MFI13には繊維強化プラスチック製ボディとスチールフレームから成る車体構造の一部として、ロールバーも組み込まれていた。 社内呼称「サーブ・97」が与えられたこのMFI13は1966年暮れから1967年モデルとして生産開始された。エンジンは2サイクル3気筒850ccで、60馬力にチューンされ、0-100km/h加速12.5秒、最高速度150km/hと、同クラスのMG・ミジェットに匹敵する性能を発揮した。ソネットIIは1968年までに1968台が生産された。 ソネット・V4(1967年-1969年)[編集] 1967年からサーブ・96にはドイツ製
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