アクティ(ACTY)は、本田技研工業が販売していた軽トラックである。生産はホンダオートボディー(旧・八千代工業四日市製作所)に委託されていた。シリーズ3代目までは商用バンも販売されていた。 概要 1963年に誕生した日本メーカーの量産車初のDOHCエンジンを搭載したT360、後継のTN360の後継車種として1977年に登場した軽トラックである。アクティ登場の際にはライトバンもラインナップに新たに登場した。 ボディー形状はキャブオーバーないしセミキャブオーバーであり、エンジンは車両の中央付近に配置される。空車時のトラクション確保および走行能力を得る狙いから、アンダーフロアへのエンジン搭載やド・ディオンアクスル式リアサスペンションの採用、荷台までフレーム一体式のモノコック構造、高回転特性のエンジン、各メーカーの軽トラック搭載自然吸気エンジンの中で最もハイギアードな変速比設定など、ホンダならではの独自設計を施している。 初代のCMには俳優・タレントの渡辺篤史(TNアクティ名義のみ)、および植木等(ホンダマチック車のみ)、覆面プロレスラーのタイガーマスク(初代)(4WD車のみ)が起用されていた。 生産・販売を終了するまで、新車で購入可能な軽トラックとしては唯一、誤発進抑制機能と後方誤発進抑制機能の標準装備、またはメーカーオプションの設定、並びに4WD車におけるAT仕様の設定がなかった。また、エンジンの動弁機構にはSOHCを採用し続け(アクティ以外の軽トラックは全てエンジンの動弁機構にDOHCを採用)、OEM供給の実績もなかった。 軽トラック・バンでは唯一のミッドシップエンジン・リアドライブ(MR)車であった。 競合他社の車種(ダイハツやスズキ)に比べ先進装備も少なく、機構も旧態依然としたものだったため販売不振に陥り、バンは3代目をもって消滅、トラックも「次期型への開発予算を賄えない」として2021年4月に生産と販売を終了した。 バンはN-VANが後継車種となったが、トラックの後継車はなく、同時にホンダは軽トラック市場から撤退した。また、2〜4代目のトラック及びバンには全て共通のドアアウターハンドルが使用されており、3代に渡り車体に共通部品が使用されるという国産車では数少ない事例であった。更に、スライドドアのアウターハンドルは後継車種のN-VANにも流用されている。 初代 TA/TB/TC/JB/VD/VH型(1977-1988年) T360、TN360、TN-V、TN7と続いてきたホンダの軽トラックの後継として、発売。発売時の東京地区標準現金価格は「スタンダード」で53万3,000円。 1975年(昭和50年)9月1日の道路運送車両法施行規則改正(省令第34号)を受け、エンジンは先代と比べスケールアップされ、550ccのEH型エンジンを採用する(発売前年には軽自動車規格も改正された)。EH型は同社の大型オートバイであるゴールドウイングの水平対向4気筒の片バンクを元に設計され、1985年(昭和60年)発売のトゥデイにも搭載された。 他社のモデルがキャブオーバーのアンダーシートエンジン、もしくはキャブオーバータイプのリアエンジン後輪駆動(RR)レイアウトを採用するのに対し、アクティはMRレイアウトを採用した。これは、TN360が前輪駆動(FF)のN360からパワートレーンを流用して後輪駆動化されたモデルであり、変速機と差動装置が一体のトランスアクスル構造であったため、アクティの全体的レイアウトもTN360を踏襲し、同様の理由からリアサスペンションもド・ディオン式(のちに追加された4WD仕様には非採用)を採用している。 アクティバンを追加。テールランプはトラックと共通である。 マイナーチェンジ。全車にカチオン電着塗装が採用されたほか、フロントグリルのデザインおよびシート表皮が変更される。 バンタイプの乗用仕様である『アクティストリート』を追加。 マイナーチェンジ。AT車(ホンダマチック)と、トラックのキャビンを100mm延長した「ビッグキャブ」が追加され(2WDのみ設定)、そのビッグキャブにはクラス初の5速MTが設定された。 4WDモデルを追加。発売当初は世界でも珍しいミッドシップ4WDとして話題を呼んだ。エンジンの搭載方式は2WDとは異なり、縦置き[1]であった。また、12インチホイールと、軽トラック・軽キャブバンクラス初のフロントディスクブレーキ(4WD車のみ)が標準装備される。 4WDに当時クラス唯一となるAT車が追加される。
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